企画展

五味太郎の世界

1997年6月28日(土)~8月10日(日)

そういえば、子どものころの夏休みに描かされるあの絵日記というやつ、ぼくはいつも創作絵日記でした。夏休みのはじまったあたりで、八月末日の最後の日まで一気に描き上げていました。「七月二十五日、今日はおじさんが西瓜をもってやってきました。」とか「八月十日、花火をしました。とてもおもしろかった。」などと、つまりでっち上げていたわけです。で、七月二十五日の当日にはおじさんにたのんで、西瓜もってきてもらったり、仕方ないので無理して花火をやったりしていたのでした。でも「今日は飛行機ににりました。気持ちよかった」なんていう創作は実現する術もなく、単にウソついたというかたちなのでした。 どうやらそれからも、ずっとそんなかたちです。いまもそのまま続いているようです。なにかふとした思いがあって、それをたとえば絵のようなものにして、さてそれから…というかたち、ウソもまこともとりあえず棚上げにして、そのかたちの作業をずっと楽しんでいるようです。これからもやっぱり続いていくんだろうな、と思います。 その途中でちょっと展覧会です。「○月○日、展覧会をしました。みんな見にきてくれて、とても楽しかった。」なんて絵日記を、いつだったか、どこでだったか、描いた憶えがあるようなないような、そんな不思議な気分の展覧会です。 (五味太郎)