企画展

遠藤周作展

1998年4月25日(土)~6月7日(日)

平成8年、73歳で没した遠藤周作は、慶応大学入学からフランス留学を経て、作家への道を歩みはじめた昭和18年から33年までを世田谷で過ごしました。芥川賞受賞作「白い人」は区内経堂で執筆され、初期の代表作「海と毒薬」の冒頭は当時住んでいた松原の印象的な描写で始まっています。 本展では、カトリック作家遠藤周作の純文学作品を中心に、「父なる神」と「母なる神」、戦争と人間悪など、「日本人と基督教」を主題とする思索の軌跡をたどります。あわせて、「狐狸庵」の名で親しまれたユーモア作品やエッセイもご紹介します。 展示資料は、原稿、初版本、書簡、写真、愛用品など約300点で、遠藤文学を研究するうえでカギともいえる「留学日記」「『深い河』創作日記」も出品されます。 晩年は、自らの長い闘病体験から医療問題への提言を活発に行っています。「心あたたかな医療を願う」キャンペーンでは、患者の気持ちを大切にしてくれる病院のありかたに始まり、看護婦の待遇改善、ホスピス、尊厳死の問題を投げかけ、患者からも病院からも大きな反響がありました。「弱者への愛」は遠藤文学の一貫したテーマであったといえるでしょう。これをテーマにシンポジウムも行います。