企画展

瀧口修造と武満徹展

1999年10月23日(土)~12月5日(日)

詩人・美術評論家として知られる瀧口修造(明治36‐昭和54年)は、慶應義塾大学で西脇順三郎にシュルレアリスムを学び、実験的な詩を「山繭」に発表。卒業後は、世田谷区砧にあるPCL(東宝映画の前身)にスクリプター(記録係)として勤務しました。
戦後は、昭和28年に新宿区西落合に移るまでの9年間を世田谷区成城で過ごし、美術評論を執筆。また、美術・音楽・文学などジャンルを超えて集まった若い人達のグループを「実験工房」と命名して、援助を惜しみませんでした。
そのメンバーの一人である武満徹(昭和5‐平成8年)は、正式な音楽教育を受けずに作曲家となったことで知られていますが、18歳で「新作曲家協会」の清瀬保二に師事し、早坂文雄からは映画音楽を学ぶなど、アカデミックな場では決して体験しえない恵まれた環境で研鑽を積みました。
世田谷に住み、音楽の道を歩み始めた昭和25年に瀧口修造と面識をもち、「実験工房」に参加。「瀧口修造の存在なくして作曲家としての私はなかった」と回想するほど影響を受け、初期には瀧口の詩にちなんだ「妖精の距離」「遮られない休息」を、追悼に際して「閉じた眼」を作曲しています。
本展では、その瀧口修造の生涯を大きく《文学》《映画》《美術》のテーマに分け、作曲家武満徹との交流を交えてご紹介します。二人のあいだで交わされた書簡や、瀧口修造が晩年に描いた水彩、デカルコマニー、親しい友人に宛てた「リバティ・パスポート」「見える本」などのブック・オブジェもご紹介します。