企画展

村上康成 絵本の世界展

2001年7月7日(土)~9月9日(日)

魚釣りが大好きです。その魚たちが健やかに生きる大自然に、汗びっしょりになって身をおくことを、こよなく愛するぼくであります。そしてもう一方、チクタクチクタク時を刻む音だけが聞こえているアトリエに、何日も何日も閉じこもることを、これまた愛するぼくなのであります。
釣りも絵本もなかなか思うようにはいきません。ですが、そのアクションそのものに真剣に没頭できることの歓びでしょうか、体も頭もへろへろになって試行錯誤の末、その分のリアクションが必ずあって面白いのです。疲れます。怖いです。そのぎりぎりのポジションでようやく決断したり、ポコッと何かが出てきたりするんですね。
絵本は自分でめくって、自分なりに眺め、読み、楽しむことのできる世界です。受身のメディアではないのです。表紙を開いて閉じるまで、読者本人のモチベーションで創る、たぐいまれなるアナログなメディアなのです。自発的に己の世界を楽しむことができるんです。
この絵本の力こそ、ぼくが絵本で表現する魅力なんです。ページをめくって、めくって、眺め、読んで、留まって、まためくって、感じて、考えて、そんな行為の中で、たくさんの可能性を探りたいと思っています。
絵本の中で、読者の皆さんが自分自身のエネルギーを見出し楽しんでいただけたならば、ヤッター!なのです。そして、またぼくはしばらく魚釣りにでかけてしまいます。
(村上康成)