企画展

池波正太郎の世界展

2004年4月24日(土)~6月13日(日)

『鬼平犯科帳』『剣客商売』などの時代小説、旅、人生、食や映画についてのエッセイで親しまれている池波正太郎。万年筆を絵筆に持ち替えてのスケッチ画も独特の魅力を持っています。
大正12(1923)年東京の浅草に生まれた池波正太郎は、下町の粋な人情の中で育ちました。少年時代から芝居見物や映画鑑賞に出かけ、小学校を卒業して茅場町、兜町の株式仲買店に勤めてからも、仕事が終わると神田や銀座などにくりだして芝居や映画、食とさらに見聞を広げる日々を謳歌しました。
戦時中、旋盤工として働くかたわら何編かの作品を「婦人画報」へ投稿。終戦後の昭和21年には設けられたばかりの「読売演劇文化賞」に応募、翌年『南風の吹く窓』が佳作入選し、選考委員であった長谷川伸の門をたたきます。
生涯の師となる長谷川のもとで新国劇の脚本を書き、演出も手掛けました。やがて師のすすめで小説を書き始め、昭和35年、候補になること6度目にして『錯乱』で悲願の直木賞を受賞。そして昭和42年、『鬼平犯科帳」の連載を始めます。続いて『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』と人気シリーズも連載を開始。並行して大河小説『真田太平記』などを執筆し、それまでの時代小説の類型を破る新しい人物像を次々と描き出しました。
昭和52年にはヨーロッパへ取材旅行し、以降数回にわたり渡欧、旅の印象を紀行エッセイや絵画として残しています。
本展では、“鬼の平蔵”をはじめとする不朽のヒーローを生み出した創作ノート、小説を書き始める前後の新国劇の上演台本、自筆の買いがなど貴重な資料約300点で、池波正太郎の創作世界をたどります。