企画展

画家と詩人 ヘルマン・ヘッセ展

2006年4月15日(土)~5月28日(日)

『車輪の下』『デミアン』などで知られ、日本人にもっとも親しまれているドイツの詩人・作家ヘルマン・ヘッセ(1877‐1962)。創作活動のかたわら、美しい水彩画を描いた画家としての顔も持ちました。
多様な価値観が錯綜して「こころの時代」と呼ばれて久しい今日において、人間らしく、自分らしく生きることを追及したヘッセは大きな魅力と吸引力を持っています。青春の挫折を経て、文筆家として身を立てたヘッセは、第一次大戦時に反戦を唱えたことで過酷な立場に立ち、さらに度重なる家族の不幸に出会い、精神の危機を迎えました。再出発を期して南スイスの村に旅立ったヘッセは、傷ついた心を癒すかのような、明るく暖かい色調や素朴な味わいの筆運びの風景画を描き始めました。牧歌的な暮らしの中、絵を描き、庭仕事をし、自然を親しむようになることで心の平穏を得るのと同時に、その文学世界も深化していきます。
「日本におけるドイツ年2005/2006」の一環として開催される本展では、ヘッセ遺族の手に遺された家族コレクションから厳選された水彩画55点が来日、一堂に展観します。また、ヘッセの友人であったドイツ文学者高橋健二旧蔵のヘッセゆかりの文学資料、スイス国立図書館所蔵のヘッセの身の回り品などを出品します。文学者として、画家として、人生の達人として―ヘルマン・ヘッセの清明な魂が生んだ芸術世界と知られざるその素顔に触れる絶好の機会です。