企画展

生誕125年 萩原朔太郎展

2011年10月8日(土)~12月4日(日)

青年時代、朔太郎は近代の新しいメディアと西洋文化の奔流のなかで、立体写真や映画、マンドリン演奏などに傾倒し、多彩な表現活動を行ないました。また、第一詩集『月に吠える』は詩の革新性とともに、版画家・田中恭吉と恩地孝四郎との共同作業による画文一体になった美しい書物としても近代詩上に画期的な詩集でした。本展では、デザイン・音楽・写真などに多彩な想像力を発揮した朔太郎のマルチアーティストとしての側面に光を当てます。
第二詩集の『青猫』以後、実生活での苦しい経験を経て、朔太郎の想像力は次第に日本の風景を荒れ果てた「地方」として眺めていきます。晩年の『氷島』では、その中で帰るべ き場所や未来への希望を見出せない自己の喪失感と、それを正面から受け止める力づよい意志を漢文調の文体にこめてうたいました。
晩年を過ごした世田谷の地で、朔太郎の自筆原稿やノート、愛用品、関連する美術作品などを一堂に会し、現在の日本に生きる人間にとって、朔太郎の詩の言葉がもつ力をあらためて問います。