コレクションコレクション検索

コレクション検索

世田谷文学館では、主として明治以降の世田谷区にゆかりのある文学と文学者に関する資料を収集し、現在10万点以上の資料を収蔵しています。その中でも図書・雑誌類や特徴のあるコレクションについての内容をお調べいただけます。各資料の閲覧については事前に電話(03-5374-9111)でお問い合わせください。

※当「コレクション検索」サイト内の資料画像は、利用者個人がブラウザを用いて画面上で閲覧することを前提としています。他の媒体に転載する等の行為は認められていません。画像利用については当館への申請が必要となります。

コレクション検索はコチラ

コレクションを選ぶ

森鷗外家族資料

わが国の近代文学の興隆期に偉大な足跡を残した森鷗外(もり・おうがい 1862-1922)。明治国家の中枢で軍医、官僚として生きながら、おびただしい数の外国文学を翻訳、紹介しつつ多種多様な題材をテーマに創作の筆を執り、新しい時代の思想や精神を表現するにふさわしい日本語の文体を作り上げ、あとに続く者たちに多大な影響を与えました。
いっぽうで家庭人としての鷗外はきわめて子煩悩な父親でした。そのこまやかで大きな愛情に包まれて育った子どもたちはそれぞれに個性を伸ばし、森茉莉と小堀杏奴の二人の娘はやがて小説家・随筆家の道を歩むことになります。
姉の森茉莉(もり・まり 1903-1987 代沢、経堂に居住)は、2度の離婚ののち50代なかばでデビュー、『贅沢貧乏』『甘い蜜の部屋』等で絢爛な美の世界を展開し、特異な存在の作家となりました。かたや、妹の小堀杏奴(こぼり・あんぬ1909-1998 梅丘に居住)は20代で『晩年の父』を上梓、随筆の分野で活躍しながら、夫である画家・小堀四郎を生涯献身的に支えました。ともにデビュー作は父の思い出であり、その後も父・鷗外は姉妹の作品の重要なモティーフとなりました。決して平坦とはいえない彼女たちの歩みの中で、心の拠りどころとなったのは、大好きな父、「パッパ」に愛されたという確かな記憶だったのかもしれません。
姉妹とゆかりの深い世田谷区の当館では、関係する資料約1200点を収蔵しています。ここではその中から、原稿や絵画など約300点の資料の内容を検索していただくことができます。

資料一覧はコチラ

植草甚一関係資料

外国の映画・文学・音楽に精通し、各分野の新人・新作・新傾向を独自の視点で取り上げた植草甚一(1908-1979)は、専門家や好事家だけでなく一般読者の興味も喚起するような、独特な語り口をもった文筆家でした。
1948年に東宝を退社したのち本格化させた文筆業の領域は、映画、ミステリーにはじまり、モダン・ジャズ、カウンター・カルチャーなどへと、ジャンルレスに広がっていきました。本人は「雑学」と呼んだ海外の幅広い文化の紹介者となった植草甚一は、1960年代後半から70年代にかけ、団塊の世代の若者から熱烈な支持を集めることとなります。
また、その文体も初期の評論から変化し、1960年代には植草流とも呼ぶべき特異なスタイルを築きました。終生買い続けた大量の洋書・洋雑誌、そして都市の散歩の中から切り取られた事象が、独特な意識の流れによってつながれていく文章は、植草甚一のもう一つの側面、コラージュの名人としての手際にも一脈相通ずるところがあるといえるでしょう。
植草甚一の没後、4万冊を超える蔵書は古書店が買い取るなどして整理され、その他の遺品も、展示即売会が催され鉛筆一本に至るまでファンの手に渡りました。
しかし、2007年に当館で「植草甚一 マイ・フェイヴァリット・シングス」展を開催したことを一つの契機として、ご遺族や関係者から関連する品々をご寄贈いただき、さらに2013年には、かつて出版社の倉庫に保管されていた大量の品を、ご遺族よりご寄贈いただきました。スクラップ・ブックやノート約240点、草稿や原稿約50点、日記約30点を含む当館の植草甚一関連コレクションは、図書・雑誌、写真類も加えると、総数1,200点以上になります。
その後2015年には、本コレクションを元に「植草甚一スクラップ・ブック」展を開催しました。ここではコレクションの中から約600点の内容を検索できます。

資料一覧はコチラ

映画監督・成瀬巳喜男旧蔵資料

映画監督・成瀬巳喜男は松竹蒲田撮影所に入社し、1930年『チャンバラ夫婦』で監督デビュー。35年、PCL(現・東宝)に移籍。『妻よ薔薇のように』『鶴八鶴次郎』で注目されますが、長く低迷期が続き、戦後の51年『めし』で高い評価を得ました。以後、『おかあさん』『稲妻』『夫婦』『妻』『あにいもうと』『山の音』『晩菊』と名作を次々と発表。平凡な市井の人物たちを日常的なリアリズムで描き、一貫して女性を主題とした作品を撮り続けました。そうした成瀬の作風は、頂点ともいうべき代表作『浮雲』に結晶します。当館では成瀬旧蔵のスチール写真や愛用品などを多数所蔵していますが、ここでは本人の書き込みのある撮影台本をはじめ、書斎で使用していた品々などをご紹介します。

資料一覧はコチラ