「金曜日の本」出版記念トーク
2016.03.19
当館の開館20周年記念企画の最後を飾る、「金曜日の本」の出版記念トークです。「金曜日の本」にこめた思いや創作の裏側について、作者に語っていただきます。
一人で図書館へ行き、一人で本棚を探り、誰かに薦められたとか話題になっているとか、そういうことに関係なく、一人で本を選んで一人で静かに読む。あの幸福な読書。金曜日の夕方に本を抱えて帰るときの、あの孤独と愉しみがひとつになった思い、その思いを未来にいるだろう自分のような読者に手渡したい。
吉田篤弘「『おるもすと』の話のつづき」(『おるもすと』付録小冊子)より
「金曜日の本」とは、一昨年当館で個展を開催したクラフト・エヴィング商會(吉田篤弘・吉田浩美)による新たな試みです。本との接し方の原点に立ち返ることを主眼とした取り組みであり、そのために立ち上げた、(架空の)レーベル名でもあります。
当館の活動趣旨とも重なり合う、この「金曜日の本」という概念を具現化するため、開館20周年記念企画の一環として、本とレコードを出版しました。世田谷文学館によるインディーズ出版です。
本は、著者が12年間あたため続けてきた小説。ひと文字ひと文字活字を組んで、昔ながらの活版印刷でつくりました。
レコードは、短編2作と架空のラジオCM(いずれも吉田篤弘著)を、女優の中嶋朋子さんと俳優の三上哲さんに朗読していただきました。声で紡がれる物語をお愉しみください。
デジタルの時代に逆行するような形態ですが、その手ざわりや質感も含め、週末のひと時、読書の喜びの原体験に思いを馳せていただければ幸いです。
なお、いずれも数量限定のため、当館のみで販売しております。
3月18日(金)発売予定
本『おるもすと』 著・吉田篤弘
1,600円(税込)/1,400冊限定
レコード『天使も怪物も笑う夜』 作・クラフト・エヴィング商會
2,000円(税込)/500枚限定/CD付き
クラフト・エヴィング商會(吉田篤弘・吉田浩美)
2016年3月19日(土)16:00~17:30
1階文学サロン
事前申込150名
無料