企画展
2022年10月1日(土)~2023年2月5日(日)
*会期中、一部展示替えを予定しています
世田谷文学館 2階展示室
10:00~18:00
*展覧会入場、ミュージアムショップの営業は17:30まで
毎週月曜・年末年始(2022年12月29日~2023年1月3日)
*ただし、10月10日・2023年1月9日は開館し、10月11日・1月10日に休館
当日 | 割引 | |
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一般 | 当日900円 | 割引720円 |
65歳以上・大学・高校生 | 当日600円 | 割引480円 |
中学生以下 | 無料 | |
障害者手帳をお持ちの方 (ただし大学生以下は無料) |
当日400円 | 割引320円 |
公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館
水と緑と詩のまち 前橋文学館
文化庁「令和4年度 地域ゆかりの文化資産を活用した展覧会支援事業」
株式会社ウテナ、東邦ホールディングス株式会社
下北沢商店連合会
世田谷区、世田谷区教育委員会
グラフィックデザイン:大西隆介(direction Q)
メインヴィジュアル・イラスト:塩川いづみ
会場構成:DO.DO.
光る地面に竹が生え、…… 竹、竹、竹が生え。(「竹」『月に吠える』より)
日本の近代詩を代表する詩人、萩原朔太郎。教科書などを通してその詩の鮮烈なイメージとリズムに出会い、衝撃を受けた人も多いことでしょう。朔太郎は世田谷に建てた家で晩年を過ごし、ここで亡くなりました。没後80年を記念して全国で横断的に開催される「萩原朔太郎大全2022」の一環として、当館でもこの不世出の詩人に新たな光を当てます。 朔太郎は代表作『月に吠える』の序文に、「人は一人一人では、いつも永久に、永久に、恐ろしい孤独である」と書いています。近代日本のもっとも偉大な詩人の一人である朔太郎は、きわめて孤独な寂しい人物でもありました。学校に居場所がなく、本や音楽を通じて未知の世界に憧れた少年期から、故郷を離れた東京での家庭生活が崩壊し、再び帰郷を余儀なくされた成年期まで、朔太郎の人生には寂しさの影がつきまといます。40代後半に居を構えた世田谷でようやく人との交際を楽しむようになる一方、自身の孤独な経験を近代の日本と近代詩の歩みに重ねた数多くのエッセイや評論を執筆しています。 本展では、朔太郎の生涯と遺された資料、さらにその孤独な世界を新しい形で表現した現代のアーティストたちの作品などを、一冊の「本」を読み進めるように辿っていきます。先の引用箇所に続けて朔太郎は、人間同士に共通するものを発見するとき、「我々はもはや永久に孤独ではない」と書いています。本もまた、孤独な読書を通じて、時代を超えて多くの人間を結びつけるものといえます。どこか寂しげで偉大な詩人、朔太郎の詩や言葉を深く味わってください。
萩原朔太郎 1886~1942(明治19~昭和17)年
詩人。群馬県生まれ。前橋中学在学中より「文庫」「明星」などに短歌を投稿。室生犀星の詩に感動して詩作に入り、北原白秋主宰の「朱欒」(ザムボア)に「みちゆき」ほか詩5編が掲載され詩壇デビュー。1917年、口語自由詩を確立した詩集『月に吠える』を刊行、近代詩に一時代を画した。他の著作に詩集『青猫』『純情小曲集』『氷島』、アフォリズム集『新らしき欲情』、詩論『詩の原理』、評論『日本への回帰』、短編小説『猫町』などがある。1931年に下北沢へ移住し、翌々年に自ら設計して建てた代田の家が終の棲家となった。1 生み出される詩
朔太郎の原稿やノートなどから、詩の創作過程に迫ります。
2 さまざまな表現
音楽や絵、デザイン、写真など朔太郎の多彩な表現を紹介します。
3 描かれた詩
現代の美術・漫画家たちが描いた朔太郎作品や、肖像作品を展示します。
4 詩を体感する
自分で詩を作る体験型インスタレーション、オートマタ(自動からくり人形)作品などを通して詩の世界を体感できます。