平野太呂さん(写真家)に聞いた
青春の写真集3冊
2020年11月20日
平野太呂(写真家)
1973年、東京生まれ。2000年よりフリーランスとして活動を開始。スケートボードカルチャーを基盤にしながらも、ファッション誌や広告などで活動。2004年から2019年までオルタナティヴなスペースNO.12 GALLERY主宰。多くのインディペンデントな作家達が展示をする場所となった。著書に『POOL』、『ばらばら』(共著・星野源)、『東京の仕事場』、『ボクと先輩』、『Los Angeles Car Club』、『The Kings』、『I HAVEN’T SEEN HIM』など。
僕が通っていた学校の先輩に古いベスパを乗り回している先輩がいて、憧れました。それでこの本を買って、何度も飽きずに研究したものです。 写真の記録という本来の機能をふんだんに味わいました。
写真を扱う作家がいるということを思い知った1冊。何度もページをめくり、かっこいい構図や、ザラザラな質感に青年だった僕は表面的な影響を受け、見る度に“よそ者から見たアメリカ”を自分に投影するのでした。 そして何より撮っている人物を常に意識しながら見た、初めての写真集でした。
やりたいことをやり、誰にも頼まれていないのに本にする。このインディペンデント精神を教わったのはこの本からかも知れません。 シーンの一員になる。自分ができる方法で参加する。形にして手渡していく。写真を撮るだけではない、一連の行動自体が表現であることに気がつく。