tupera tuperaさんが選ぶ貼り絵でつくられた絵本3冊

本と輪 この3冊

tupera tuperaさんが選ぶ

貼り絵でつくられた絵本3冊

©RYUMON KAGIOKA

2021年4月16日

tupera tupera

亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、アートディレクションなど、様々な分野で幅広く活動している。絵本に「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)「パンダ銭湯」(絵本館)「かおノート」(コクヨ)「やさいさん」(学研教育出版)「いろいろバス」(大日本図書)「うんこしりとり」(白泉社)など著作多数。海外でも様々な国で翻訳出版される。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。「わくせいキャベジ動物図鑑」(アリス館)で第23回日本絵本賞大賞。2019年に第1回やなせたかし文化賞大賞を受賞。

1
『ゆきのひ』 エズラ・ジャック・キーツ

雪の日というと、どこまでも真っ白な世界を思い浮かべますが、この絵本はとってもカラフル。でも確かに、雪は余計なものを覆い隠し、真っ白な雪に反射した光は、辺りをより鮮やかに輝かせますよね。部屋の壁紙やパジャマに模様の紙を使ったり、雪山から滑るシーンでは、舞い上がる雪を綿状の紙で表現したり、消しゴムはんこのような技法で雪の結晶を描いたり…と、様々な表現技法をつかって描かれた世界は、息をのむような美しさです。雪の日にワクワクする気持ちを、いつまでも大切にしたいと感じさせてくれる一冊です。

2
『ちいさなたまねぎさん』 せなけいこ

大らかで大胆で温かみのある、せなさんの貼り絵の世界が大好きです。めがねうさぎやおばけのシリーズが有名ですが、この絵本もお勧め。ねずみに頭をかじられたじゃがいもさんが泣いていると、そこに様々な野菜や調理器具たちが心配してやってきます。皆んながじゃがいもさんをいたわり、ねずみをやっつけてやる!と一致団結する様子は、とても可愛くやさしい気持ちになります。でもその夜、ねずみが現れるシーンには一切の言葉もなく、暗闇から顔を出すリアルなねずみ!ゾクッとするこの画面のギャップこそが、せなさんの作品の一番の魅力だと思います。

3
『シオドアとものいうきのこ』 レオ・レオニ

幼い頃から自然をよく観察してきたレオニだからこそ描ける作品。様々なマチエールをつけた紙を、バランスよく重ね合わせて生み出された、濃密で豊かな世界は、何度本を開いても胸がドキドキします。はっとするほど鮮やかな水色のきのこは瑞々しく、印刷物であることを忘れてしまうほど。以前原画を観た時にも、その美しさに心を奪われました。うそをついたねずみに与えられた冠や花輪は、らくがきのような線画であったり、壁紙を切りとったような花であったり、動植物のリアリティに対して絶妙に力を抜くその表現技法も、本当に見事です。

(出典)ブックリスト「本と輪 この3冊」vol.2 2018.3

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だいたい金曜日の本

各分野でご活躍の皆さまに、世田谷文学館が用意したお題に対して、3冊の本を挙げていただきました。ロゴマークのデザインは、クラフト・エヴィング商會さんです。当館で不定期発行しているブックリスト「本と輪 この3冊」からのご紹介です。子ども向けの本から、洋書や哲学書まで、旅の本、食の本、写真集など幅広い分野から選んでいただきました。意外なテーマも出てきます。当館ライブラリー〈ほんとわ〉の雰囲気を、ホームページでも味わっていただければと思います。だいたい毎週金曜日に更新していきますので、どうぞお楽しみに。

※選書の入手について:書籍により、なかには現在入手が難しいものもあります。文庫版や古書、図書館などでも探してみてください。

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