2023.04.07
菅野昭正 世田谷文学館名誉館長が逝去されました
故菅野昭正名誉館長を偲んで
亀山 郁夫
ステファヌ・マラルメ研究で世に知られ、現代フランス文学の翻訳に携わる傍ら、文芸評論家として現代日本文学の紹介に力を尽くしたセタブン名誉館長、菅野昭正先生が、本年3月9日に病気のために逝去された。享年九十三。館長としての在職期間13年と10か月(2007年6月から2021年3月)。この間セタブンは、すばらしい充実の時を経験した。純文学と広義のサブカルチャーを両立させていくという人気路線が定着したのも、先生の時代である。先生が館長赴任と同時に着手した企画展が、「地に伏して花咲く 宮尾登美子展」(2008年)。その後、館がもてるアーカイブの精力的な掘り起こしを介して、文学ファンの胸にいくつもの感銘を刻んだ。長く先生のそばにあった館員の言によれば、先生がことのほか強い思い入れを寄せていたのが、2015年「詩人・大岡 信展」、そして2017年「澁澤龍彦 ドラコニアの地平」等だという。だが、企画展、コレクション展と並行して行われた各種講演会の充実ぶりにも、目を瞠らされる。2010年9月に行われた講演会シリーズ「知の巨匠 加藤周一ウィーク」がその一つである。この時、トップバッターとして登場したのが、今年3月に逝去された大江健三郎さんだった・・・・・・。
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*下記より、現世田谷文学館館長と名誉館長との対談記事をお読みいただけます。
世田谷文学館ニュース79号 2022年3月 「館長の作家対談」
世田谷文学館ニュース75号 2020年10月 「館長の作家対談」
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